腹筋のトレーニング
しっかりと鍛え上げたシックスパックに憧れる人は多いと思いますが、腹筋を鍛えることは見た目だけではなく、脊柱や骨盤の状態を健康的に維持するためにも非常に重要です。
腹筋はトレーニングの最後に行うのがおすすめです。特にスクワットやデッドリフトなど体幹が重要なトレーニングでは、腹筋が強く働きます。
つまり、これらの種目の前に腹筋のトレーニングを行うと、スクワットやデッドリフトで力が入らないということになってしまいます。
ダイエット目的でお腹周りを引き締めたい場合は、腹筋のトレーニングよりも有酸素運動やカロリー制限の方が効果的です。
腹筋をバキバキに鍛え上げても体脂肪が多ければ、腹筋は割れて見えません。逆に腹筋を鍛えてなくても、体脂肪が少なければ腹筋が浮き出てきます。
ただ、これは手っ取り早く腹筋を割るにはというだけの話で、前述のように腹筋を鍛えることは見た目以外に健康のためにも欠かせません。シックスパックを目指して、しっかりと腹筋を鍛え上げましょう。
腹筋の主要な筋肉
腹直筋
一般的に腹筋といえば、腹直筋を指すことが多いようです。ご存知のようにシックスパックを形作る筋肉です。シックスパックとは言っても、人によっては4パックや8パックの場合もあります。
腹直筋の機能は脊柱を前方に丸める(体幹の屈曲)ことです。つまり、背骨を真っ直ぐにしたまま行う腹筋運動(いわゆる昔ながらの上体起こし)では、腹筋はしっかりと働いていないことになります。
背骨を真っ直ぐにしたままの上体起こしで主に働くのは、脚を持ち上げる腸腰筋という筋肉です。腸腰筋を鍛えることは骨盤を正しい位置に保持し、姿勢や歩行を改善し、腰痛の予防になるので良いことです。しかし上体起こしでは、逆に腰痛の原因になることもあります。
腹筋を鍛えたい場合は、ヘソの辺りを覗き込むように背骨を丸めてしっかりと腹筋を収縮させることがポイントになります。
また、クランチなどの腹筋運動はどうしても可動域が狭いのが難点ですが、バランスボールの上に仰向けに寝て行うボールクランチは、腹筋がストレッチした状態から行えるので、非常に効果の高い優れた種目です。
バランスボールはこちらのページで紹介しています。
外腹斜筋・内腹斜筋
外腹斜筋と内腹斜筋は脊柱を横に曲げる体幹の側屈や、脊柱を捻る体幹の回旋の主働筋です。また、腹直筋とともに体幹の屈曲にも働きます。
クランチを行うときに上体を捻りながら起こすと、腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋をまとめて鍛えることができます。
仰向けに寝た状態で両脚を床に対して垂直に上げて、メトロノームのように両脚を左右に振るロシアンツイストも外腹斜筋・内腹斜筋を鍛えるのに有効です。
もっと強い刺激が欲しい場合は、ダンベルやケーブルで行うサイドベンドで外腹斜筋・内腹斜筋をピンポイントで鍛えることができます。
腹横筋
脇腹の表面を覆っているのが外腹斜筋、その深部に内腹斜筋があります。内腹斜筋のさらに深部にあるのが腹横筋です。腹直筋は筋繊維が縦に走っていますが、腹横筋は文字通り筋繊維が横に走っています。
腹横筋の働きはお腹を凹ませることです。脊柱の動きには関与していません。また、内臓を正常な位置に保つためにも重要な筋肉です。体脂肪が多くないのに、下っ腹が出ている場合は腹横筋が弱っている可能性があります。
前述のように腹横筋は脊柱に対して垂直に筋繊維が走っているため、クランチやシットアップなど普通の腹筋運動では鍛えることができません。
腹横筋を鍛えるには、基本はドローイン(お腹を凹ませる)です。単純に、仰向けになってお腹を10秒程度思い切り凹ませるのを数セット行ったり、ドローインの状態を保って、前述のロシアンツイストを行うといった種目があります。