背中のトレーニング

広がりのある逆三角形の上半身や、厚みのある身体を作るのは背中の筋肉です。

しかし、自分の背中は見る機会があまりなく、多くの筋肉が働くため、どこに効いているのか分かりにくいために難しいと感じている人が多いようです。

背中の主な筋肉を、解剖図などで大まかでも良いので知っておくと、トレーニング時に意識しやすくなります。

背中の主要な筋肉

広背筋

背骨と上腕をつなぐ筋肉なので、上腕を背骨に近づける時に働きます。

上腕を背骨に近づける動きとは、頭上に挙げた腕を身体の側面を通って下に降ろす「内転」、身体の前面を通って下に降ろす「伸展」があります。

内転と伸展の動作では主に広背筋と大円筋が使われます。

筋トレの種目でいうと、内転はワイドグリップでのチンニングやラットプルダウンなど、伸展はアンダーグリップでのチンニングやラットプルダウン、そしてロウイングなどになります。

大円筋

機能としてはほぼ広背筋と同じ働きをします。広背筋が背骨と上腕骨をつないでいるのに対し、大円筋は肩甲骨と上腕骨をつなぎます。広背筋のトレーニングの時に大円筋も一緒に働きます。

僧帽筋

僧帽筋は機能的に上部、中部、下部に分けられます。その全てが肩甲骨を後ろに寄せる内転の働きがあります。

上部は肩甲骨の挙上(肩甲骨を上に持ち上げる)、上方回旋(腕を頭上に伸ばした時に、左右の肩甲骨がハの字型に開く動き)。

中部は肩甲骨の内転(肩甲骨を内側に寄せる動き。肩甲骨の後退と呼ぶこともあります)。

下部は肩甲骨の下制(肩甲骨を下に引き下げる)、下方回旋(上方回旋と逆の動き)の働きがあります。

つまり僧帽筋は肩甲骨の動きをコントロールする筋肉になります。僧帽筋に効果的な種目はロウイング(特に肘を開き気味にしてみぞおち辺りに引きつけるロウイング)、僧帽筋上部にはシュラッグなどがあります。

ロウイングだけではなく、チンニングやラットプルダウンでも肩甲骨の上下(または斜め上、斜め下)の動きを意識してできるようになると、広背筋だけでなく僧帽筋や菱形筋も刺激することができます。

脊柱起立筋

腸肋筋や最長筋や棘筋などで構成される脊柱起立筋は、背骨の両側に縦に長く走る筋肉です。

姿勢の維持に欠かせない筋肉で、背骨や首を曲げ伸ばしする働きがあります。ボディビルダーは腰の辺りにくっきりと浮き出るほど発達した脊柱起立筋が見られます。

脊柱起立筋に効果的な種目はデッドリフトやバックエクステンション(特に股関節を固定して、背骨を曲げ伸ばしする)などがあります。またスクワットでも姿勢維持のために脊柱起立筋が強く働きます。