大胸筋のトレーニング
筋トレをする男性で胸のトレーニングはしない、または嫌いという人はいないのではないでしょうか。多くの男性が憧れるのが分厚い胸です。
トレーニングする上で大胸筋は筋繊維の方向で上部、中部、下部の三つに分けられます。それぞれ種目が異なるので、自分の弱いところを強化しましょう。
大胸筋のトレーニングで、注意点として「肩は動かさない」とよく言われます。
大胸筋の動きは、腕を外側から内側に動かす水平内転です。しかし、自然な身体の動きとして、肩も一緒に外側から内側に動きます。意識していないのに、腕だけが動くということはありません。
水平内転で腕を前方に動かす時には、肩甲骨を開く(肩甲骨の外転)前鋸筋が働きます。前鋸筋が浮き出て発達しているのもかっこいいですが、大胸筋にピンポイントで強い刺激を与えたい場合は、肩甲骨を寄せて肩を後ろに引いた状態を保つようにして行いましょう。
逆に、前鋸筋を鍛えたい場合は、ベンチプレスで最後に肩を前に出して押し上げるようにします。
大胸筋の主要な筋肉
大胸筋中部
フリーウェイトならばフラットベンチで行うベンチプレス、ダンベルフライが大胸筋中部を鍛える種目になります。
自宅で一人でバーベルベンチプレスを行う場合は、危険防止のためにセーフティガードを使うか、ラックで行いましょう。
ベンチプレスを一人で行う場合は、バーベルよりもダンベルがおすすめです。理由の一つは前述のように、まず潰れてしまう危険性が少ないことです。セーフティガードがない場合に挙げられなくなってもダンベルならば、放ってしまえば最悪の事態は免れます。
もう一つの理由は、ダンベルベンチプレスの方がバーベルベンチプレスよりも水平内転の動きを大きくとれることです。
筋肉が引き伸ばされたストレッチポジションはダンベルもバーベルもあまり差はありませんが、大胸筋が収縮したコントラクトポジションはダンベルの方が左右の腕を近づけることができるので、より強く収縮させることができます。動きとしてはダンベルフライに近くなります。
大胸筋上部
大胸筋上部を鍛える種目は、インクラインベンチで角度をつけて行うインクライン・ベンチプレス、インクライン・ダンベルフライがあります。ベンチを起こして背もたれに角度を付けることで、大胸筋上部の筋繊維の方向と運動の方向を合わせて、上部に負荷が掛かるようにします。
インクラインベンチの角度は人それぞれですが、30°〜45°で行うことが多いようです。動作中の背中の反らせ方などでも変わってくるので、その辺も考慮して調整してください。ただ、マンネリを防ぎ刺激を変えるためにも、たまには違う角度で行うのも良いです。
インクライン・ベンチプレスやダンベルフライを行う際の注意点として、床に対して垂直に挙げるようにするということです。自分では垂直のつもりでも、角度が付いしまっていることがあります。ホームジムでは柱や本棚や窓枠などを目安にして、垂直に挙げるようにしましょう。
大胸筋下部
大胸筋下部は大胸筋上部とは逆の角度で刺激します。上から下方向に水平内転させます。デクラインベンチや、フラットベンチでお尻を浮かせてベンチプレスやダンベルフライを行います。
また、大胸筋下部を鍛える種目としてディップスがあります。ディップスは大胸筋下部の他に、三角筋前部や上腕三頭筋を鍛えることができ、上半身のスクワットと言われるくらい優秀な種目です。ディップスで大胸筋下部を狙う場合は、身体を前傾させて行います。身体を垂直にするほど刺激が上腕三頭筋に移行します。
パワーラックやチンニングスタンドにはディップス用のバーが付いていますが、こちらで紹介しているようなベンチプレス用のベンチには、ほとんど付いていません。HOFLERAとBODYMAKERのベンチにはディップスバーが付いています。